山形市議会 2018-03-12
平成30年厚生委員会( 3月12日)
○委員
ケアマネジャーが作成する
ケアプランにおいて、過剰な
サービス支給の問題があるが、適正かどうかどのようにチェックするのか。
○
長寿支援課長 今回の
基準改正で、利用者には複数の事業所の紹介を求めることが可能となり、説明が義務づけられ、自分の事業所だけを紹介することは少なくなると考えられる。過剰な給付については、
訪問介護の提供回数が多い場合、保険者としても見ていくことになった。今回
ケアマネジャーの事業所に対する監査指導の権限が市に移譲してくるため、来年度から
ケアマネジャーの研修会を定期的に実施したい。
○委員 県の条例と同じ基準とのことだが、省令と異なる部分はあるのか。
○
長寿支援課長 記録の保存期間を、省令では2年間としているが、市の条例では5年間としている。
○委員 市の
独自基準は設けないということか。
○
長寿支援課長 そのように考えている。また、平成31年度の中核市移行に伴い、
施設サービスや
居宅サービスの指定の基準を市で定めることになるため、本市の独自性を考えていきたい。
○委員 中央と地方では状況が異なるため、研究してほしい。
○委員
生活援助の過剰支給の問題について、
医療保険制度であれば、疾患名とレセプトの請求内容が突合され、過剰な請求は認められない
システムだが、
介護保険制度ではどうか。
○
長寿支援課長 介護保険については、医療のような類型化が難しいため、極端に多いところを市がチェックしていくこととしている。
大要以上の後、議第19号については、
全員異議なく可決すべきものと決定した。
9 議第33号 山形市
介護保険条例の一部改正について
長寿支援課長から説明があった後、質疑に入った。その主なものは次のとおり。
○委員 保険料の基準額を見直すとのことだが、負担が大きく、引き下げてほしいという声もあるがどうか。
○
介護保険課長 現在の第6期で4億5,000万円程度の
基金残高となったため、一部を取り崩して、第7期の保険料に充当する軽減策を行った。
○委員 保険料を据え置くことはできなかったのか。
○
介護保険課長 高齢化に伴う認定者の増加により、
介護給付費の増加が見込まれるため、保険料を引き上げざるを得なかった。なお、基金の取り崩しにより150円ほど上昇を抑えている。
○委員 保険料の段階区分を9段階以上にふやして、より応能的な負担とすべきではないか。
○
介護保険課長 各段階の所得割合は、おおむね国と同じ状況のため、多段階化したとしても、保険料を大きく引き下げる効果はないと認識している。
○委員 引き下げる効果があるかどうかは資料がないとわからないが、多段階化により、より適正な保険料の収納が可能になるのではないか。14段階としている自治体もあり、山形市が努力したのか疑問である。また、
普通徴収の収納率が85%前後となっているがどのように考えるか。
○
介護保険課長 介護保険料は年金から引き去りになるが、徴収が始まったばかりの65歳の方は
普通徴収にならざるを得ず、未納になる場合があるため、しっかり対応していきたい。
○委員 未納者のうち、65歳の人の割合はどのくらいか。
○
介護保険課長 平成28年度は18.8%で、平成27年度は20.5%であった。
○委員 低所得、低年金の方が保険料を払えないこともあるが、その対策について説明もなかった。第7期の財源負担の割合について、国の
調整交付金は5%と見込んでいるのか。
○
介護保険課長 市の
調整交付金は、
予算ベースでは5.9%と見込んでいる。
○委員 これ以上の
介護保険料値上げについては賛成するわけにはいかないため反対したい。
大要以上の後、議第33号について採決した結果、賛成多数で可決すべきものと決定した。
10 議第34号 山形市
指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正について
11 議第35号 山形市
指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正について
議第34号及び議第35号については、一括して審査することとし、
長寿支援課長から説明があった後、質疑に入った。その主なものは次のとおり。
○委員
身体拘束等の適正化とは何か。
身体拘束の実態はどうか。
○
長寿支援課長 これまで、
身体拘束を行う場合、利用者の状態像や理由を記録するだけであったが、できるだけ
身体拘束を制限し、適正化を図る観点から、各事業者に研修の実施や指針の整備を義務づけるよう改正を行うものである。実態として、平成28年に
全日本病院協会がとりまとめたものでは、
特別養護老人ホームの33%で何らかの
身体拘束を行っており、ミトン型の手袋の使用が最も多かった。
○委員
身体拘束と
人材不足は結びついていると思う。実態把握を行い、義務づけが形だけにならないように取り組んでほしい。
○委員 定期巡回・
随時対応型訪問介護看護等に係る
オペレーターの基準を緩和するとのことだが、どのような内容か。
○
長寿支援課長 緊急時の
随時訪問サービスにおいて、これまで日中は
訪問介護員等とは別に、
緊急コールを受ける
オペレーターを設けることとなっているが、
オペレーターと
訪問介護員等との兼務や同一
事業所敷地内のほかの従事者との兼務を認めるなど、基準を緩和するものである。
○委員 夜間の
緊急対応として、山間部などに
訪問介護員が訪問するのは大変だと思うが、実態はどうか。
○
長寿支援課長 緊急で対応する場合、山間部まで行くのは難しく、事業者も市街地を中心に
サービスを提供している。
○委員 大変な事業だと思うが、事業者は足りているのか。
○
長寿支援課長 現在は常に満杯ではないため足りていると思っているが、
在宅生活の希望者が多いため、将来的に事業所をふやすとともに
人材確保についても考えていく。
大要以上の後、議第34号及び議第35号については、
全員異議なく可決すべきものと決定した。
休 憩 11時54分
再 開 13時00分
12 議第36号 山形市
指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに
指定介護予防支援等に係る
介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部改正について
長寿支援課長からの説明を了承し、
全員異議なく可決すべきものと決定した。
13 議第32号 山形市
特定教育・
保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について
こども保育課長からの説明を了承し、
全員異議なく可決すべきものと決定した。
14
報告事項
(1)
広告付き窓口案内表示システムの設置について
市民課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
(2)山形市
国民健康保険税条例の一部改正の
専決処分について
国民健康保険課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
(3)山形市
国民健康保険保健事業実施計画(
データヘルス計画)の策定について
国民健康保険課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
(4)
後期高齢者医療保険料の改定について
国民健康保険課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
(5)「山形市
健康づくり21」の
中間評価(案)について
健康課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
(6)
高齢者保険福祉計画(第7期
介護保険事業計画)の策定について
長寿支援課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
○委員
訪問介護が少なく
通所系サービスが多いため、今後は
通所系サービスを制限するとのことだが、どう制限するのか。
○
長寿支援課長 一定の基準を設け、新しい事業所の指定を制限していく。
○委員 国の方針として、施設型から
在宅訪問に移行していくことはわかるが、
サービスを必要とする方の利用の制限は、必要に応じてということでよいか。
○
長寿支援課長 管理の仕方は検討中であるが、利用者に不便をかけることがないようにしたい。現在、市内の
通所介護事業所の1日あたりの定員は2,000人ほどだが、今後の
利用見込みは1,500人ほどと見込まれ、制限をしても安定した
サービスの提供や、事業所の
介護人材の確保にもつなげることができる。
○委員 市独自の
利用料軽減策はあるが、
利用実績がないとのことであった。利用されるよう基準の見直しが必要ではないか。
○
介護保険課長 低所得者に対し、国等のさまざまな
負担軽減制度があるが、該当しない場合、市独自の制度を利用するものとなっている。
○委員
若年性認知症の方に特化した
サービスはどのようなものを考えているのか。
○
長寿支援課長 もう少し検討したいため、計画では他の市町村の先進的な取り組みを調べることとしている。
○委員
ショートステイから
特別養護老人ホームに30床転換する一方で、
短期入所生活介護もふえる見込みとなっているのはなぜか。
介護予防・
生活支援サービス事業の
訪問型サービスにおいて、従前相当とAとCに分かれているが、Aは従前のものではなかったのか。
○
長寿支援課長 今後
ショートステイが30床程度ふえる見込みのため、
特別養護老人ホームに転換することとしており、
ショートステイの増減はほぼフラットな状態になる。Aは基準を緩和した
サービスのことで、
介護福祉士ではない一般の方が訪問し、Cは
管理栄養士が訪問し食事の支援などをするものである。
○委員
訪問型サービスのBは目標がないということでよいのか。
○
長寿支援課長 目標では、圏域に1つずつはつくりたいと考えているが、具体的な
利用者数の見込みを立てるのは難しかった。
(7)豪雪への対応について
長寿支援課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
(8)「子ども・
子育て支援事業計画」中間年の見直しについて
こども保育課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
○委員 0〜2歳児の教育・保育の量の見込みについて、平成30年度は87人不足、平成31年度は5人超過と見直したとのことだが、対応策はどうか。
○
こども保育課長 不足している部分については、定員で預かった場合の数字であり、定員の20%超過で受け入れ可能となっているため、その範囲内で対応できると想定している。しかし、
保育士不足により余力のある部分での対応が難しくなっているため、来年度に
保育士確保に対応する予算を計上している。
○委員 切実な市民の願いがある。保育所にスペースはあるが保育士が足りないため、受け入れられない状況になっている。新
年度事業により、保育士をどのくらい確保できるのか。
○
こども保育課長 保育士宿舎借り上げ事業では、各園に採用予定を含め、希望を聞き予算を計上したが、
保育士確保のはっきりとした数字は把握していない。
○委員 平成29年10月時点での
待機児童が100人を越え、平成30年4月1日時点でも36人というのは望ましくない。最低でも半年ごとに動向を報告してもらいながら、
待機児童ゼロに向けて実行ある政策を実施してほしいがどうか。
○
子育て推進部長 保育士不足は喫緊の課題と認識しており、
保育士トライアル制度と
保育士宿舎借り上げ事業の予算を計上した。
保育士トライアル制度では20人分の予算を確保している。
待機児童は主に1歳児が多いが、保育士1人につき子供6人まで保育ができるため、20人確保できれば120人の受け入れが可能になる。できるだけ早く募集し対応していきたい。
○委員
事業所内保育所は何に分類されるのか。
○
こども保育課長 認可外の
事業所内保育事業はこの計画には含まれていない。企業主導型で設置している園も何園かあるが、今回の計画には入れていないため、その部分は余力となっている。
○委員 病院内で保育所を運営している事例もあるが、地域の人も利用できるようにしたほうがよいと思うがどうか。
○
こども保育課長 病院等の
事業所内保育所は、制度上、地域枠が認められていない。企業主導型保育所は、地域枠を設けることができるが、事業主の考えで整備するため、計画に含まれていない。
○委員 フルタイムで働いていない人は計画の中のどこに含まれるのか。
○
こども保育課長 定期的に仕事をしている方は、通常保育を利用することが可能であるが、週に数回しか子供を預けない場合、一時預かり事業として対応している。
○委員 一般入所の手続が終わった後に一時預かりの手続が始まるため、枠がなければ預かってもらえないことになる。不公平ではないか。
○
こども保育課長 問題だとは認識しているが、
保育士不足の中で、一時預かりの受け入れが難しいと聞いている。
保育士確保に向けさまざまな手だてを講じ、
待機児童解消を進めていきたい。
○委員 今回は平成31年度までの計画であるが、平成31年度以降の長期的なスパンでの保育需要をどのように考えているのか。
○
こども保育課長 現在の推計の仕方として、0〜5歳児の人口を基に必要な保育量を算定している。人口は減少傾向にあり、女性の就業率も8割を超えると急激な伸びはないと考えられるが、31年度以降の推計はまだ実施していないため答えられない。
○委員 人口をふやし、30万人都市を目指す計画になっている。他の計画では30万人都市を前提としたものもあるようだが、一方では人口増加、もう一方では人口減少の予測をしており、何をベースに考えていけばよいか疑問である。子ども・
子育て支援事業計画では、人口減少を見込み、保育需要のめどを立てていくことになるのか。
○
こども保育課長 5年間の短期の計画のため、実際の人口の推移に即して検討していくことになる。今後、人口が伸びていった場合は、それに即した計画をたてることになる。
○委員 長期的なスパンでの対応も検討してほしい。
休 憩 14時49分
再 開 15時01分
(9)
放課後児童クラブの会計処理の状況と市の対応について
こども福祉課長から、
別紙資料に基づき報告があった。
○委員 こまくさ子どもクラブの設立はいつか。
○こども福祉課長 平成6年4月である。
○委員 設立から約24年になるが、その間、特定の職員が会計事務を行っていたのか。
○こども福祉課長 開設当時からではなく、ここ10年ほどと聞いている。
○委員 まずは特定の職員が弁済すべきであるが、その後の状況はどうなっているのか。実際、被害金額が確定していないため難しいとも聞いているが、刑事事件となるのか。
○こども福祉課長 刑事告発については、現在、クラブで弁護士と対応を協議しており、詳しい内容は、進展があった場合報告もらうことになっている。被害額については、挙証書類がない部分もあり、クラブ側で鋭意精査し、解明に努めていると聞いている。
○委員 会計処理を1人で行っていたため、詳細がわからないのだと思うが、市としての認識はどうか。
○こども福祉課長 今回の事件が起きたのは、担当が1人で全ての会計事務を行い、監査時に帳簿や通帳との突き合わせをしていなかったためである。今後そのようなことがないよう、帳簿と通帳の残高確認や経理規程を設け、経理担当を複数にすること、通帳と印鑑の管理を別にする等の防止策を各クラブに指導している。
○委員 適切な経理をしているクラブに委託料を出すようにしてほしい。横領したと思われる職員が弁済できない場合、その費用はどうなるのか。市はどのような対応をするのか。
○こども福祉課長 対応について現在検討中である。まずは被害額を確定させ、その上で本人とクラブの話し合いとなるが、クラブからの情報がないため、市としても対応しかねている状況である。
○委員 決算書類をもらっていると思うが、積立金は計上されていたのか。公金が含まれていたのか検証しているのか。
○こども福祉課長 市からの委託料と保護者から集めた保育料、おやつ代などが基本の収入になる。経費を差し引いて残った部分を翌年度へ繰り越ししており、繰越額が大きくなってきたときに積み立てをしていたのが実情である。公金も含まれていたと考えるが、今後も検証が必要である。
○委員 委託となった平成16年度以降は決算の中で積立金を把握しているということか。
○こども福祉課長 決算上の年度ごとの積立金の額はわかるが、積立金の総額については報告してもらっていなかったため、今回の調査まで把握していなかった。
○
子育て推進部長 運営業務に対して委託契約をしており、繰越金が出たとしても返還してもらうものではない。将来の不測の事態への供えや備品購入、施設の修繕などに対して積み立てを行うことは問題ないと考えている。繰越金に対しては委託料も入っているが、市のお金ではなく、あくまでもクラブのお金になる。
○委員
放課後児童クラブの職員は経理実務の経験や資格があるとは考えられず、苦労しているクラブもあると思う。今後のあり方をどのように考えているのか。事務説明会をしたとのことだが、要望はなかったのか。
○こども福祉課長 事務説明会では要望はなかったが、事務の取り扱いや経理が大変だと聞いている。外部委託とした場合、費用の問題もあり、支援策はこれから検討していきたい。
○委員 委託金の性質上、繰越金は運営委員会のものということはわかるが、市民目線では公金を横領したと指摘されるのは当然である。公金が入っている以上、市は厳格に指導してほしい。どのような状態に、いつまで改善することとするのか。
○こども福祉課長 改善にはある程度時間がかかるため、各施設に対する立ち入り調査の際にどのような改善をしたのかまず調査したいと考えている。
○委員 早急に改善すべきではないか。
○
子育て推進部長 放課後児童健全育成事業は、国から会計処理の基準についての通知はなく、保護者の団体から始まっていることもあり、そこまで厳しい指導はしていなかった。今回、よりどころとなる経理規程のひな型を示したが、各クラブでは運営委員会に諮った上で不備を修正することになるため、年度当初からの対応は難しく、年度途中の立ち入り検査の中で、随時指導していく。1年後をめどに整備されるよう対応していきたいと考えている。積立金は、適正な積み立てをしているのか確認するために照会しており、クラブにおける監事監査や運営委員会などで再確認してもらい、必要以上の積立金については子供たちに還元されるよう指導していきたい。
○委員 この件については随時報告をしてほしい。また、今後このようなことがないよう取り組んでほしい。
15 閉会中の委員会調査申出書(案)について
閉会中の委員会活動について、別紙申出書(案)のとおり議長あて提出することとなった。
16
行政視察について
委員長から日程案が提示され、班分けを行った結果、次のように決定した。なお、視察地及び視察項目については正副委員長に一任された。
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│ 班 │ 1 班 │ 2 班 │
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│日 程│5月22日(火)〜5月24日(木)│5月29日(火)〜5月31日(木)│
├────┼───────────────┼───────────────┤
│委 員│渋江朋博副委員長、 │
田中英子委員長、、 │
│ │阿曽 隆委員、佐藤秀明委員、 │伊藤香織委員、遠藤和典委員 │
│ │斉藤栄治委員、石澤秀夫委員 │ │
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